コミュニケーション

今日行ってきた勉強会は@3pandaさん主催のその名も「パンダの会」
パンダがどうしていつもころころしているのか生物学的に解明しようとする勉強会だった。
うそです。
http://pandanokai.net/event/evt6/index.html

なんでも「これからのWeb」というお題でゲストを二人呼んでるんだけどキャンセルが出て今なら空き席あるんですよ、と聞いて「これからの人生」に迷っているところのWebデザイナーを名乗っている私が飛びついたのです。
「これからのWeb」って。なんて大胆かつ大雑把なテーマなんだ!

詳細な内容はツイッターハッシュタグ#panda006で。

それで私の所感を述べたいのだが、これまでなんて狭い視野でWebを見ていたんだ、と。
「ホームページ作れます」なんていうことが特殊技能でも職人の技でもなんでもなくなった昨今、何で生き残っていくのか。何を売って生きていくのか。
トレンドを追いかけて新しい技術をひけらかして小さい運動場でかけっこするような、そういう時代ではないですよ。そんなことしてても周回遅れで入ってきた有能な若者にあっさり体力で負けちゃいますよ。(この年で思いますけど、体力は自然減少していく資本ですから!資本のあるものが優位に立つのは世の常ですから!)
そういうことを技術畑である村岡さん@bathtimefishもWebに携わる活動家(!)長谷川さん@yhassyも極論的にはおっしゃっているのだと感じた。
一言で言えば「Webを」じゃなくて「Webで」の時代だな、と。
こう言うと陳腐に聞こえるかもしれないが逆説的に言うと、「大事なのはWebそのものじゃないですよ」とも言えるだろう。

その先に何があるのか。
それこそがWebデザイナーを名乗る人の資質になっていくだろう。

そして「Webナンタラ」である前に、私は「顧客の悩み相談室であり、一緒に悩みに共感する人であり、それを何らかの方法で表現し、願わくば解決する人」を目指すべきじゃないかと思った。
(実際問題はWebナンタラの完成度も上げたいし、願わくば解決するためにスマホ対応もWordPressもIE6対応もSEOも必要になってくるのだが。解決するための引き出しは多い方がいい。)
要するに、理解者、表現者としての資質。
ここで言う「表現」というのには何種類かある。
一つは顧客の悩みを表現する力。顧客が上手く言語化できない悩みを汲み取って「こういうことに困っているんですね?」と整理する能力とも言える。
もう一つはそれを表現を通して解決する力。「それを消費者に伝えるためにこう表現しましょう。それはこういうふうに表現すると解決しますよ。」といういわゆるデザインする力。
最後に恐らく多くのWebデザイナーに欠けている、自分が抱える問題を表現する力。「それを実現するためにはこれこれこれだけの技術が必要で、だからこれこれこれだけのコストが必要なんです」と専門知識のない顧客に理解できるように表現する力。
最後の力はとても技術と根気と気力を要する。自分が泣けばそれで済むからと努力を放棄しがちだ。(IT業界にうつが増える諸悪の根源だ。)

コミュニケーションは分かり合って初めて「成立した」という。
自分が相手の言い分を理解して表現するだけでは成立はしていなくて、相手にも自分のことを理解してもらってこそのコミュニケーションだ。

実はこれは別にWebナンタラに限った話ではない。
自分が泣けば済むから、という美学がなぜか日本にはあって、少なくとも私にはあって、これは実際は自分が泣くだけで済んでいないのだ。

泣いている間、するべきことが進んでいない。
進んでいない理由を説明できない。(黙って泣いているから)(そして「オレはお前のせいで泣いてたんだぞ」というフラストレーションをためる)
相手は理由がないのに進んでいないことで、あなたのことを怠慢だと思うかもしれないし、自分のことを軽んじられたと思うかもしれないし、あなたを見捨てて誰か他の人に頼もうと思うかもしれない。
たった二者間でもこれだけの悲劇が起こってしまうのだ。

あなたは一体何人と関わって生きてますか?

「自分が泣けば済む」という考え方こそ傲慢だと気づいてくる。
そんなにあなたは(私は)神様じゃないのだ。

それだけではない。
泣くのをやめれば、Webの世界はこんなにも自由で、あの手この手で表現が可能なツールなのだ。好きなことができる。どんどんできるようになっていく。
私はデザインより断然コンテンツを作りたいね!と思う。(・・・デザインしたくないって意味じゃなくてね。)

「自分のことを理解してもらう」
これはわがままではなくて、あなたと真摯に付きあおうとする人にとって最高のプレゼントだと思う。
相手のことを知って、自分のことを知ってもらって、それでこそいい仕事ができる。
いい人生が送れる。
いい恋愛を経験できる。

というわけで、これからは自分を知ってもらう努力を最大限しますので、お仕事と恋人の方ひとつよろしくお願いします。